長めの文章

2021.2.9 上司の付き合いで飲んだ殆どロックの芋焼酎お湯割りで酩酊状態で帰宅、そのままの勢いでブログを開設するに至る

サクラ革命の喪に服す

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サクラ革命 ~花咲く乙女たち~

 

 

SEGAとディライトワークスのタッグと

田中公平ら作曲陣が送る

サクラ大戦」シリーズの最新作

 

 

仮にもヤング・サクラ大戦ファンを名乗る私は12月15日のリリース日より毎日ログイン、

プレーを欠いた日は1日もありませんでした

 

が、

 

その日は突然やって来たわけであります

 

 

2021年4月22日木曜日

 

 

遂にサクラ革命のサービス終了が公式Twitterより告知されました

リリースから僅か半年余りの短い革命でありました

 

今月下旬にいよいよ近畿編が始まるというタイミングでの発表で少々驚いてはいますが、

私のようなプレーヤーの皆さんの心の中にも案外

 

「ようやく革命が終わるのか・・・・・・」

 

と胸をなで下ろしている自分がいることだと思います

 

 

6月30日のサービス終了に先立ち、

12月15日より今日までの半年を振り返りながら

今だからこそ言えるこのゲームの失敗について反省していきましょう

 

 

 

 

リリース直後からコケる

 

 

登録者数に応じてのVtuber声優起用の発表、

抽選での試遊会等と様々なニュースで話題を振りまきつつ

 

数か月のリリース延期を経て満を持して(?)

12月15日に配信が開始されたサクラ革命

 

しかし、そんなゲームに待っていたのは聞くに堪えない罵詈雑言の嵐でした

 

 

失敗その① 既存のキャラクターイメージの呪縛を解けなかった

 

 

さて、リリース開始直前まで全国の乙女のビジュアルも公開されていたわけですが

その際に寄せられたコメントを何重にも重ねたオブラートに包んで言ってしまうならば、

 

 

キャラクターのクセが強すぎる

 

 

往年のプレーヤーであれば

「ギャルゲーにしては華撃団のクセは強い」

ことなど百もご承知だとは思います

 

が、

このビジュアルは

「これからサクラ大戦コンテンツに触れていく」

人達には到底受け入れられるものではなかったでしょう

 

また、

華撃団のキャラクターで唯一と言っていいほど知られているのは

 

 

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ただこの人しかいません

 

ときめきメモリアル」の藤崎詩織と並んで

90年代ギャルゲーコンテンツの象徴とも呼べる

キャラクターの一人として未だに君臨しています

 

だからこそ

サクラ大戦」を名乗るからには

少なくともさくらを「良い立ち回り」で登場させることは

何よりも必然だったと思われます*1

  

今更言ってもどうしようもないことですが、

今思えばやっぱり藤島康介をキャラデザに起用すべきだったのではないでしょうか

それも叶わなければ新サクラとの整合性を鑑みて

久保帯人にお願いするのも一つの案だったかもしれません

 

頭を下げるべき人に頭を下げられず、

仕切り直しの時代設定と新たなキャラクターで進めてしまったことが

まずはこのゲームの一つ目の大きな失敗と言えるでしょう

結局「真宮寺さくら」ありきのゲームだった、と言えるかもしれません

 

 

キャラクター性が思わしくなかったのは乙女たちだけではありません

 

司令の存在が非常に曖昧だったのも非常によくありませんでした

 

司令、つまり華撃団の隊長なのですが、

このゲームではプレーヤーのアバターとして男女どちらかが選べる、というものでした

 

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ところで過去のサクラ大戦はというと

大神隊長やシンジロー、キャプテン神山と

歴代「隊長」というのは非常にキャラが立っており、

それこそ華撃団及びストーリーの根幹を成す存在でした

 

さて、

サクラ革命での隊長の役割はというと

戦闘パートでの「かばう」「隊員入れ替え」「大応援」の3つくらい

あとはせいぜい桜風の運転手といったところでしょうか

 

全くもってキャラが希薄です

 

天眼通なる能力がありましたが

作中であまり役に立っていなかったように思います

 

結局、

サクラ大戦の魅力の一つである

「頼もしい隊長像」

というものが微塵もないのです

 

これでは既存のファンも余計に食いつかないでしょう

華撃団に振り回されつつ?頼もしく成長していく隊長を我々は見たいのですから

*2

 

 

キャラクターに愛着は湧くものの……

 

 

話を華撃団の乙女に戻しましょう

およそ女の子には言ってはいけないような暴言で迎えられた全国の乙女の皆さんですが、

 

実際に遊んでみると案外愛着が湧くものでした

 

これは多くの人が評価されているポイントですが

やはりゲームの雰囲気が妙に「サクラ大戦している」ことと

ストーリーもそんなに悪くなかったからこそなせる業だったということでしょう

 

実際私も

 

豊後の文豪こと

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を一生懸命育てておりました

 

ドロップ難で知られるエレメントの中でも「巳のエレメント」は

群を抜いて集めづらく、何度も何度もクエストを周回した思い出です

 

しかし、

今年の1月頃だったでしょうか、

やっとのことでめい君をレベル90まで進化させた時点でふとあることに気が付きました

 

このゲームのモチベーションがもう、ない・・・?

 

 

失敗その② ゲーム性が凡過ぎた

 

 

このゲームの製作元はディライトワークス(以下、DW)

 

そう、

 

あのFGOで知られるDWです

 

私はFGOをプレーしたことがありませんので直接確認したわけではありませんが、

キャラ育成や護符等ゲームシステムはやはりFGOのそれと瓜二つだったそうです

 

 

……ええ、

正直これで長続きするとは到底思えませんよ

 

 

最大限のフォローを入れるとするならば、

あの戦闘パートは往年のサクラ大戦のアドベンチャーパートを

ソシャゲ向けにリミックスしたものと言える(かもしれません、、、

 

が、

これも当然新規のファンへの求心力には全くなりません

むしろソシャゲの目に肥えている人からすればサクラ革命のゲーム性は

FGOのそれと全く同じで変わり映えしないものであり、

継続プレーもせいぜい5日が関の山でしょう

 

それに

淡々とした戦闘でこれまた淡々とドロップアイテム収集*3

余儀なくされるゲームなのでソシャゲ慣れしていない私でも

イベントやデイリーミッションの消化を修行僧が如く淡々と行う日々には

正直ウンザリしていたというのが本音です

 

どれほどデザインや性格が思わしくなくても

ゲーム性さえよければそれは愛嬌に変わってしまうもの

FGOからの正統進化だな!DWやるねぇ!」と言わせるような出来ならば

このゲームの運命も大きく変わっていたかも……

 

そんなこんなで

メインストーリーとめい君の育成を一通りこなしてしまったいわゆる「虚無」期間は

朝起きて通勤支度がてらにミッションをこなす、

正に

 

 

虚無の時間

 

 

でした 

 

それでもこのゲームが続いてくれれば……の思いでプレーしていても、

不幸ばかりがこのゲームを襲うのでした

 

 

失敗その③ 炎上系YouTuberに目を付けられてしまった

 

 

YouTubeで「サクラ革命」と検索すると

出るわ出るわのネガキャン動画の山

 

この記事を読んでらっしゃる方ならもうご存じだと思いますので

敢えて名前は挙げませんが

 

サクラ革命はリリース直後より

とあるゲーム炎上系YouTuberに親の仇が如く勢いで目を付けられまくっていました

 

この方がサクラ革命についての動画をアップすれば

再生数は瞬く間に数十万超え

 

その内容を鵜吞みにした投稿者のファンが意見に追随するものですから

YouTubeはおろかTwitter、匿名掲示板も

サクラ革命のネガキャン一色に染まってしまうわけです

 

特に2月上旬には

サクラ革命どころか製作元のDWを揺るがすような情報がリークされたことで

一時Twitterのトレンドに躍り出るほどの勢いすら見せておりました

 

2月と言えば生配信も行われていた時期ですが、

ネガティヴな意見ばかり飛び交うYouTubeTwitter

イベント告知等を行うのは気が滅入る思いだったでしょう

 

「なんもかんもゲームがつまらないのが悪い」という大義名分の元、

このゲームはネット世論のサンドバッグにされ続け

そして今日この日を迎えたのであります

 

このことはファンとして非常に辛いものであり、

あまり思い出したくありませんが、

最後まで世論を覆せる話題に欠けたのは

このゲームの大きな失敗です

 

Vtuberとのコラボが仮に成就したとしても

この風潮を覆せる余力はもう残っていなかったと思います

 

 

延々と言葉の暴力で殴られ蹴られ続けたからでしょう、

3月にはこのような状況に陥ってしまいました

 

 

失敗その④ 明らかに運営のやる気が落ちていた

 

 

生配信も2月を最後にプッツリと途切れてしまいました

 

そして3月には起死回生の一手のつもりで臨んだのでしょう

それまでのキャラデザを微調整し、

ガチャには☆5咲良しのを投入した

 

花見十番勝負イベント

 

が華々しく行われましたが、

それでもセルランの向上には結びつかず

完全に万策尽くといった状況に陥ってしまいました

 

更に時を同じくして追い打ちをかけるように

ソシャゲ史に残るであろう、ある大きな事件が起きました……

 

 

失敗その⑤ 強力なコンテンツとの勝負を余儀なくされる

 

 

2021年2月24日

 

 

規格倒れかと思われていたあのソシャゲが、

3年ほどの時を経て遂にリリースされました

 

そう、

 

ウマ娘 プリティーダービー

 

ですね

 

 

企画始動当初は馬主の許可を取らずに

無断で競走馬の名前を拝借したことで大いに炎上、

このまま日の目を見ることは無くなった……と思われていましたが、

 

ようやく調整が取れたのか2021年2月に満を持してリリース

それからというものの、

それまでのSNS社会を180°ひっくり返す勢いを今もなお見せ続けています

 

実在の競走馬を基にした緻密な背景やストーリー

かつて放送されたアニメは数年の時を経て大絶賛

キャラの濃い「ウマ娘」達が今日もTLを賑わせます

 

勢いはゲームを飛び越えて現実の競馬にも飛躍

ウマ娘」をきっかけに実際の競馬に興味を持つプレーヤーは数知れず

更には製作元のサイゲームスによる

「ゲームの売上は引退した競走馬の援助として団体に寄付」という姿勢により

プレーヤーのみならず多くの競馬ファンの支持と興味を集めました

 

数多のソシャゲは「ウマ娘」現象の下に滅んでいくものと思われるのですが、

無論サクラ革命もその屍の一体となってしまいました

 

ソシャゲとして100点満点の内容を叩き付けられたらやる気なんて出ないでしょう

米軍の圧倒的な戦力に竹槍で臨む銃後の国民のようなものです

 

そもそもなぜ往年の覇権コンテンツが「強力なコンテンツ」になりえなかったのか?

それはひとえに「作品愛があるかどうか」の問題でしょう

 

ウマ娘の成功はゲームとそれを支える世界観の作り込みが大いにあります

3Dでも見栄えするキャラクターを作り、

既存の競馬ファンも納得させる世界観を構築

 

私はウマ娘をプレーしておらず時折ゲーム動画を見る程度ですが

それでもレース映像の作り込みの巧さには驚きます

2年以上の臥薪嘗胆の期間があったとはいえ

あの技術はソシャゲの到達点の一つに成り得るのではないでしょうか

 

ストーリーは史実に基づきつつも

往年のファンには涙を禁じ得ない展開を作り上げることも可能です

 

馬主とJRAにお出ししても怒られない作品作りを行った結果なのでしょうが、

本来ゲームを作るということはこういうことなのだと強く感じました

 

 

一方サクラ革命はというとあまりにも見切り発車でした

かつて広井王子が緻密に作り上げた「太正」という世界観は一体どこへやら*4

製作元のDWも

既存のIPの力を過信したのか

はたまたFGOでの成功体験(「既存コンテンツのある作品のソシャゲ作りは任せろ!」という驕り)があったからこそなのか

 

結局上記に述べた通りのゲームの出来となってしまい

おまけに某YouTuberの恰好の餌食となってしまった……

 

前述の通り、頭を下げるべき人に頭を下げ

「世界観を大切にして改めて皆が納得いくものを作る!」という意気込みがあれば

今頃は順調に日本を奪還していたのかも……と思わざるを得ません

 

ウマ娘」の覇権への道を駆け抜けてゆくのを見届けるのと同時に

遂に「その日」への覚悟を決めていたのか、

3月下旬よりよくわからないアイテムばら撒きイベントを細々と行う等、

運営のやる気は目に見えて衰えていました

 

作れば作るほど誹謗中傷の嵐なわけですから

もうこのゲームに関わるのもイヤだったのでしょう

 

製作元のDWについてもあまり思わしくないニュースが飛び交っています

最後っ屁をかますが如くの近畿編と終章をもって

このゲームは幕切れとなってしまいました

 

残念ながら今日もTwitterでは死体蹴りと言わんばかりの

罵詈雑言が飛び交っています

 

せめてもの救いは

田中公平先生への温かな労いの言葉で溢れていることだけでしょうか

 

 

 

 

……さて、

時系列を追いつつ「革命の失敗」について触れていったわけですが、

 

結局のところ、

サクラ大戦というゲームが

脚本、キャラデザ、音楽、ゲームメーカーの全てにおいて

90年代の「全力」をつぎ込んだ正にオーパーツ的作品であったのが

全ての原因だと思われます

あのノリはあの時代だからこそ実現できたものであり、

令和の時代では再現不可能となってしまっています

 

凡百のゲームが雨後の筍のようにリリースされる令和のソシャゲ戦争に

その再現不能な90年代のコンテンツを引っ提げて殴り込むというのが

もう間違いだったと言わざるを得ません

 

サクラ革命は負けるべくして負けてしまったのです

 

失敗の原因を某YouTuberに押し付ける人もいますが、

 

決してそれだけが原因とは思えません

100%再現不可能ではあるものの、

それでも面白いゲーム作りを怠ったのが一番の失敗だと思います

 

 

夢のつづきは心の中に

 

 

新サクラもいまいち成功とは言えず、

革命は僅か半年で鎮圧されてしまいました*5

 

サクラ大戦というコンテンツが

再び脚光を浴びる日というのは

もう暫く訪れないでしょう 

 

その一方で、我々のようなヤング・サクラ大戦ファンの中にも

革命を愛し続けたファンが多くいたという事実は消えません

私も勿論その一人です

九重めいに逢えるという「楽しさ」を見出して

駆け抜けた半年でした 

 

良くも悪くもTwitterを賑わせたソシャゲですから

ひっそりと消えていったソシャゲよりもある意味恵まれている?と

ポジティブに考えてみようと明日から過ごしてみたいと思います

 

 

1人でも誰かがそう考えていると

いつかまた春はめぐる

そう信じましょう

 

 


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*1:実際、それで新サクラは大失敗をしでかしているのですから……

*2:フォローを入れるとすれば、その機会をサ終によって叶えられなかった……といったところでしょうか

*3:これが非常にシブい!

*4:そもそも新サクラの時点で広井王子を排斥しているのでSEGAは「サクラ大戦」の世界観を守る気が無かったのは明白でしょう

*5:唯一成功と言えるのは新サクラの舞台のみですが、それでもコロナと闘いながらのコンテンツです