長めの文章

2021.2.9 上司の付き合いで飲んだ殆どロックの芋焼酎お湯割りで酩酊状態で帰宅、そのままの勢いでブログを開設するに至る

新サクラ大戦 the Stage ~桜歌之宴~ 感想

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サクラ大戦 the Stage ~桜歌之宴~ 夜の部

2021年3月21日(日) 17:30~19:00

東京・有楽町 ヒューリックホール東京

 

 

 

セットリスト

 

各所で公開されているので今更感はあるが・・・・・・

夜の部で披露された楽曲は以下の通り

とは言えセトリは昼の部とほぼ変わらず、

唯一異なるのは芽組による歌唱曲である*1

 

 

 1.檄!帝国華撃団 <新章>/花組

 2.スタァ誕生/花組

 3.女!!祭りの心意気/東雲初穂

 4.忍者あざみ/望月あざみ

 5.帰れる場所/アナスタシア・パルマ

 6.輪舞/クラリス

 7.乙女なんですよ/天宮さくら

 8.桜夢見し/花組

 9.『新宝島』より

  宝島 ~勇気の旗を~/初穂&アナスタシア

10.『つばさ』より 

  つばさ/あざみ&クラリス

11.サクラ大戦奏組~薫風のセレナーデ~』より

  春よ来い春よ/天宮さくら

12.『新西遊記』より

  銀座行進曲/花組

13.花咲く乙女/花組

14.舞台の神様/神崎すみれ

15.あたし泣いちゃいます/芽組

16.奇跡の鐘 (太正二十九年版)/花組

17.夢のつづき/花組

18.花の戦士/花組

19.新たなる/花組

20.檄!帝国華撃団 <新章>/花組

 

 

トップバッターは勿論ゲキテイ新章

序盤は新サクラ楽曲より

中盤は田中公平Twitterにて企画された歌謡ショウからのリクエスト曲*2から4曲

すみれさんの新曲と芽組の歌を挟んで

終盤は怒涛の花組総員歌唱4曲

最後はゲキテイ新章をみんなで踊ってフィナーレ

 

アンコールを求める観客の拍手は最後まで鳴りやまず

その度にさくらが出てきて

「ありがとうございました~~~また会いましょう~~~!」のご挨拶

 

文句ナシのフルコースである

 

 

歌謡ショウ楽曲に思う事

 

中盤の歌謡ショウ楽曲

当初Twitterにてリクエストが行われた際に物議を醸したのはさておき

満遍なく印象深い名曲が選ばれた訳だが、

 

新サクラから入ったファンや

歌謡ショウまでは見ていないファンのために

芽組による前説が入っていたのは嬉しい

特に、「つばさ」の前説は聞いただけで感涙ものであった*3

 

ただ、一つ注文を付けるのならば

衣装も再現してほしかった

 

新サクラ花組のキャストが往年の楽曲を歌うというのも充分感動的だが、

着ていた服はゲーム中のいつもの服装、これでは興醒めだ

衣装も合わせていれば確実にあの場で泣いていただろう

 

奏組の曲も聞けたというのは非常に貴重である

現実的な話、奏組楽曲を今後生で聞く機会というのはほぼ無いはずだ

「かつて少女漫画版のサクラ大戦があったんだよ」という昔話になりつつある中で

この曲を大抜擢したのは他でもなく田中公平の心意気というものだろう

 

さて、

やってみれば好評のうちに終わった過去楽曲リクエストだが

 

「結局は旧サクラに頼らないとダメなのか」と

 

あらぬ非難を受けるのも悔しい話である

 

ここは田中公平先生に頑張ってもらって

新生花組達の新曲を

是非とも用意してくれたら良いのに・・・・・・

と、思わざるを得ない企画になった事も書き残しておきたい

 

 

新曲の意義

 

すみれさんの新曲「舞台の神様」は、

これからの新サクラの方向性を決めた重要な一曲である

 

田中公平Twitterで語ったところによると、

この曲はレニの「素晴らしき舞台」のアンサーソング的な

意味合いを持たせた曲であるらしい*4

 

曲の意図はどうであれ

沢すみれから離れて片山すみれによる新曲である

 

帝劇のトップスタアを自負する、

高飛車なようで本当は陰ながら努力家のすみれさん

 

しかし新サクラでは

 

決死の作戦でただ一人現世に残らざるを得なくなり、

幻都で今なお戦う仲間を想いながら

新生花組をまとめるため日々奔走する神崎総司令

 

神崎すみれというキャラクターの背景が大きく変わる一方、

舞台版のキャストも富沢美智恵から片山萌美となり

 

我々旧サクラを知る者からすればすみれさん像の違いに

大きな混乱と若干の抵抗感があったのは事実である

 

しかし、

舞台での堂々たる振る舞いや言動一つ一つの

すみれさん「らしさ」には益々磨きがかかり

 

あの日も多くのファンが紫に光らせたキンブレを

すみれさんに振っていた姿は忘れられない

 

「あたし泣いちゃいます」の後に発した

「今日の天気にピッタリな曲」というアドリブ的コメントには

観客一同も爆笑

 

こうして片山すみれがファンに受け入れられ、

上記のような意味合いを孕ませた

「舞台の神様」という新曲が披露されたという事実は

 

これからの新サクラ舞台を展開していく上での

大きな一歩になったと言えるだろう

 

 

怒涛の終盤4曲

 

終盤はトリ曲にふさわしい楽曲ラッシュ

「奇跡の鐘」では新たな衣装を身に纏い登場

という事は、冬の舞台の題材はもしかして・・・・・・?

 

そこから「夢のつづき」のイントロが流れた瞬間、

万雷の拍手が一気に手拍子に揃う様はある意味感動的である

 

とはいえ、

この曲は数あるサクラ楽曲の中でも非常に重要な立ち位置にある曲なので

正直もっと勿体ぶっても良かったような気がするが、、、

 

「花の戦士」は旧来のファンには申し訳ないが、

新生花組にとってもう一つのゲキテイとなりつつある

これからも新サクラ舞台では定番の一曲になるのかもしれない

 

この曲の前に早着替えで新・レビュウ衣装が披露されたが、

「少女歌劇」と「往年の花組」へのリスペクトを感じるデザインで

これがまたとてもカッコ良いのだ

新サクラ2が出るならば是非この衣装も登場してほしい

 

そして今回初披露の「新たなる」

実は私、この曲があまり好きではなかった

 

と言うよりも曲そのものより新サクラのEDの演出*5が好きになれず、

一向に2周目プレーへ踏み込めない大きな原因となっていたのだ

 

さて、

今回のライブでは新たな衣装に身を包み、

レビュウらしさを押し出した演出

そして極めつけは、

ライブ終了後のイシイジロウのこのツイート

 

 

 このツイートでどれほど「救われた」気持ちになれただろうか

 

本来はレビュウを意識して作られた曲であるという事

今回のライブでそれを始めて映像化できたという事

 

 「新たなる」の本懐を知るとともにこの曲を好きになる瞬間であった

 

 

演者についていろいろ

 

片山すみれについては前述した通りなので割愛するが、

各女優さんの演技・歌唱も昨年秋の舞台から更に磨きがかかり

最早担当声優ご本人の歌声と聞き紛うレベル

 

初穂は今回大槌を持たずに登場

以前Twitterだったか帝劇スタァだったかで

「重くて大変」と仰っていたので

今回は歌だけなので省略?

でも、今回は最後の挨拶で泣かなかった!

 

あざみの「もやもや~」は今回はお預け

冒頭で任務の途中と言いつついきなり逃げたりと自由奔放

「忍者あざみ」ではあんなにピョンピョン跳ねながら歌うのに、

それでも歌声は山村響なのだから凄い

 

クラリスは最後の挨拶でクラリスらしい台詞をご披露

前の舞台でもそうだったが、

クラリスは台詞の「ご褒美」を毎回くれるような気が・・・・・・

何と言っても沖クラリスが素晴らしいのは歌だけに留まらず

上記の台詞のように役が自然と馴染んでいるところだろう

流石、自宅でスノーフレークの花を育てているだけある

 

元宝塚の平湯樹里が演じるアナスタシアはやはり抜群と圧巻の一言

「宝島 ~勇気の旗を~」を歌い終わり、

舞台裏へ帰っていく時に初穂の背中にそっと手を添え

優しくエスコートするかのように階段を下りていったのを

私は見逃さなかった

 

さて正直な話、

関根さくらは本家大元のあやねるさくらとはまた違った雰囲気であるが、

田舎から帝都へ出てきたばかりの駆け出し女優・天宮さくらという事を考えると

天真爛漫な立ち振る舞いを見せる関根さくらの方が

ある意味「らしさ」があると言えるのではないだろうか

 

このように、

キャストがそれぞれのキャラクターを心より愛し、

作品の世界観を十分に理解し、

自己解釈も織り交ぜながら

それらを役に落とし込む

 

皆さんの作品愛があるからこそ

新サクラの舞台は「素晴らしき舞台」として

当初の評価を覆す勢いで高い評価を得ているに違いない

 

 

芽組=田中公平歌劇団

 

一通り花組キャストに言及したところで

新サクラ舞台を語る上で一番触れておかなければならないのは

 

芽組

 

の存在だ

 

この10名で花組以外の登場人物や端役までも担当しており、

今回の前説でまさかの再登場を果たした朧も芽組によるもの*6

 

今回は演技だけでなく歌も披露し、

今後の芽組の活躍に期待したい・・・ところだが、

 

これからも新サクラの舞台をしていく上で

もっと多くのキャラクターを登場させて欲しいのが本音

 

前回の舞台では

竜胆カオルに大葉こまち、西城いつきも芽組キャストで登場したが、

この方式を今後の舞台に生かすことはできないのだろうか

 

流石に上海、倫敦、伯林華撃団は

「看板を張れる」という意味でも

改めてオーディションを行う必要のあるキャラクター達ではあるが、

 

現在の芽組を「1期生」とし、

上記準レギュラー組へ一部キャストを昇格させ、

本来2020年3月の舞台で出演する予定だった芽組メンバーや

新たに選ばれたキャストが

芽組「2期生」となる

 

 

おお、

これは正に

 

 

田中公平歌劇団

 

 

ではないか

 

 

・・・・・・冗談はさておき、

新サクラファンから愛される存在となった芽組だけに

そこに今更手を加えるというのは難しい話だが、

 

より見応えのある舞台を考えると、

そろそろ新たな登場人物を増やしていくのも

考えても良いように思うのだが・・・・・・

 

 

 「夢のつづき」のこれから

 

かくして大満足だった桜歌之宴だが、

軌道に乗ってきたからこそ

 

新曲の事

演技の事

新たな登場人物の事

 

今後の展開に期待したい部分も幾つか生まれた

 

しかし、

歌劇団」としての新サクラの世界は狭い

何せゲームに漫画、アニメのそれぞれ1本ずつしかないのだから

 

 

 

じゃあ舞台がその世界を広げれば良いのではないか

 

 

 

舞台に携わる皆さんが作品を愛しているからこそ

良いものが生まれる土壌は十分に整っているはず

 

それが見られる次の機会として、

今は秋のライブをただひたすら

楽しみに待っている

 

 

 

 

 

*1:ご存知の方も多いと思われるが、昼の部で芽組によって歌われたのは「恋の発車オーライ!」

・・・・・・こっちも生で聞きたかった

*2:https://twitter.com/kenokun/status/1331002692546641920

*3:なんなら芽組が話し出す前に聞こえたプロペラの音でもうダメだった

*4:・・・・・・が、この発言によって旧来のファンの神経を逆撫でする危険性があったためか、当ツイートは既に消されている

*5:どう見ても最近のアイドルゲームに影響を受けたようなライブ演出であり、「少女歌劇の冒涜」としか思えないものであった

*6:更に3分間ショッピング的なコーナーまでもやってくれるとは思わなかった